旅好き爺の旅行記
A photo journey by an old man who loves to travel

利尻・礼文島への旅

6月20日(木)から23日(日)にかけて北海道の北の果てにある利尻島と礼文島へ行ってきました。礼文島には40年近く前に稚内にいた伯父の家を訪れた際に日帰りで行ったことはありますが記憶にはほとんど残っていないため初めての旅と同じ気分です。

6/20(木)
羽田空港08:15発のJAL505便で札幌新千歳空港に09:50に到着、その後快速エアポート号を利用して札幌駅に11:00過ぎに着きました。時間に余裕があるので札幌駅に直結しているステラプレイスの6階にある天馬咖喱で昼食として骨付きチキンとたっぷり野菜のスープカレーを食べました。スパイシーな香りとさわやかな辛さがとてもいいですね。

昼食後札幌駅の商業施設のお店を見た後に、JALの道内間や近距離便があるある札幌丘珠空港にタクシーで向かいました。札幌ー利尻便は1日に2便ありますが、今回は2便の丘珠空港15:00発のJAL2885便で利尻空港に向かいました。久しぶりにプロペラ機であるATR42‐600という座席数48のかわいらしい飛行機に乗ることができました。

出発時に天候不良のため場合によっては引き返すという条件だったので着陸できるかひやひやしましたが、強風にあおられ機体が大きく揺れたものの利尻空港には15:50に無事到着しました。小さな空港で移動手段に不安があったので、事前に宿泊するホテルに送迎を依頼していたのでスムーズにホテルに到着しました。今日泊まるホテルは沓掛港にほど近いホテル利尻です。

このホテルには源泉かけ流しの温泉もあり、しばし部屋で休憩した後に早速温泉に入りました。成分表によれば、泉質は炭酸水素を主成分に塩素、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄分を多く含んでおります。特に炭酸水素は国内トップクラスの含有量があるようです。鉄分が含まれているため空気に触れると茶褐色になっています。源泉かけ流しの湯舟は33度と低いですが長く使っていると炭酸水素濃度が高いためか体が温まってきます。夕食は地場の海鮮を主体としたもので中央には期待していたこの時期の取れるエゾバフンウニがありました。エゾバフンウニは色合いも良く甘くてとても美味しいです。

6/21(金)
起床後、朝風呂に入った後に朝食をとりました。海苔の代わりに昆布を薄く削って海苔風にしたものがついていました。こんな使い方のあるんですね。

午前中は利尻島定期観光バスA秀峰利尻富士めぐりを予約していたので、宿の近くの宗谷バスの沓形営業所に行き08:20に出発しました。まず最初に停車したのは景勝地である人口湖姫沼です。駐車場から橋を渡り、ダケカンバの緑が美しい林を抜けると姫沼があります。

霧の中、小雨も降っているため利尻富士は姿を見せてくれません。

北海道の観光サイトによる写真では天気が良ければ下の写真のように絶景が見れるスポットです。北海道は梅雨がないと聞いていましたが、宗谷地方は特に6月は蝦夷梅雨といい霧が多く雨量は少ないものの天候はあまりよくない日が多いようです。

次に訪れたのはオタトマリ沼です。ここも同様に利尻富士は姿を見せてくれませんでした。救いはエゾカンゾウのオレンジ色の花たちが出迎えてくれたことでしょう。

北海道の観光サイトによるとここでも下の写真のような絶景が望めるはずでした。北海道のお土産で「白い恋人」というお菓子が定番ですが、パッケージの山はここから見た利尻富士が使われているそうです。

次に向かったのは仙法志御崎公園です。ここは利尻島最南端の自然公園で利尻山の噴火で出た溶岩が海に流れたところで奇岩や奇石が見られる場所です。駐車場の付近には利尻島の昆布製品を扱うお店が数件あり。漁港直営店でだし取り用の天然の利尻昆布を購入しました。ちなみに利尻、礼文、稚内でとれる昆布を総称して利尻昆布というそうですが、礼文島を含めてここが一番安かったです。

鴛泊港に向かう車窓からお祭り仕様に装飾され龍神の岩におかれた弁天宮が見えました。

次には寝熊の岩でうつぶせ寝している姿に見えます。

そして人面岩、頂上部に白いハチマキがまかれています。横顔なのでしょうか?

終点の鴛泊港に12:15に到着しましたが、13:15発の礼文行のフェリーの出発まで時間があるのでフェリーターミナルの向かいにある磯やき亭で昼食をとりました。

うに丼にする予定でしたが、今年は不良で粒も小さく高すぎるので、海老や帆立などの海産物がたくさん入っている利尻ラーメンを昆布焼酎とともに注文しました。

鴛泊港13:15発の礼文行のフェリーで香深港に14:00に到着し、港の近くにある今日の宿、花れぶんに向かいました。花れぶんは利尻・礼文地域では設備や食事が一番充実した宿のようです。

しばらく休んでから温泉に。泉質は硫酸塩泉・ナトリウム塩化物泉でホテルのHPの写真びよればここからも利尻富士の絶景が見えるはずでした。

夕食は魚介類を中心とした会席料理です。ここでも定番のエゾバフンウニがあります。水産加工会社が運営している宿なので海産物の内容は質量ともに素晴らしいと感じました。

6/22(土)
朝風呂に入った後に食事処で朝食をとりましたが、茶わん蒸しにはウニが一切れ置かれており、厚切りの鮭の焼き物も脂が乗っていておいしく朝の活力をもらいました。

今日の午前中は香深港フェリーターミナル08:40発の礼文島定期観光バスA夢の浮島礼文めぐりで島内を巡ります。まず最初に停車したのはスカイ(澄海)岬です。ここは名前の通り澄んだ海の色が特徴の入り江で礼文島で最も透明度が高いそうです。写真では穏やかに見えますが、風の島礼文島にふさわしい強風が吹いていました。

オオハナウドの花

オオハナウドとエゾカンゾウ

次に向かったのはスコトン岬です。遠くに見える小島は無人島のトド島です。その名の通り海獣トドが訪れる島でトド漁も行われているそうです。

最果てのトイレにしては非常にきれいです。

ここにある売店でお土産にトドの缶詰を購入し、来た道を引き返し西側にある桃台猫台展望台に行きました。写真の中央左が桃台という岩です。

海に突き出た岩が猫台です。

ハマナスの蕾

センダイハギの花

最後の訪問地は映画「北のカナリアたち」のロケのセットを保存した北のカナリアパークです。撮影のイメージに合った木造の校舎がなかったため校舎をセットとして作ったものです。写真の案内板にある石に書かれた題字は吉永小百合の直筆です。看板のように利尻島は見えませんが裾野はわずかに見えています。

香深港フェリーターミナルに向かい、ホテルの送迎で再び島の北側に行きました。今日宿泊するホテルはプチホテルコリンシアンです。この最北の地にこんなホテルがあるのかという感じです。

宿泊したのは別館のギャラリーです。

部屋の窓からは今日訪れたスコトン岬とトド島が見えます・

宿泊した棟の向かいに温泉棟が別途あり、泉質は昨日の花れぶんと同じでした。壁面の岩から滝のようにお湯が流れています。ちなみに本館にも内風呂があります。

洋風の食事かと思いきや和風の会席料理で刺身の皿には、エゾバフンウニ、ニシン・ホッケの刺身がありました。ニシン・ホッケはコリコリ感があり新鮮さを感じます。

昨日の昼食時に昆布焼酎を飲みましたが、ボトルは下の写真のようなものでした。

ホテルは全15室ですが満室のようでダイニングルームは大勢の宿泊客でいっぱいでした。

6/23(日)
朝食はイメージの通り洋食で、ポトフにトースト、ポテトサラダ、ゆで卵でした。

香深港フェリーターミナルへの送迎が時間の関係で都合がつかず、タクシーで港に向かいました。時間に余裕があるので港近くにある礼文町郷土資料館に立ち寄りました。

中には礼文島で発掘された縄文時代の土器などが展示されています。厳しい最北の島に古代から人々が生活していたのは驚きです。

発掘された墓地の頭蓋骨から復元された縄文人の女性の姿です。現代にいてもあまり違和感のない顔立ちでした。

昼食はフェリーターミナルの2階にある武ちゃん寿司でホッケのフライ定食をとりました。左側の小鉢はトドのてっぴの酢味噌和えです。てっぴはトドの足びれ部分です。酒のつまみには最高です。ホッケのフライも産地ならではの料理で魚のフライでは一番でしょう。

帰路は往路と同じで香深港12:50発の利尻沓形港行のフェリーに乗り利尻空港、札幌丘珠空港、札幌千歳空港から羽田空港に戻ります。フェリーの船首から利尻富士の裾野が見えてきました。

沓形港を降りると路線バスが待っていたのでそれに乗り利尻空港に向かいました。出発まで2時間近くあったので2階の売店で飲み物を買いましたが、横には海産物の自動販売機があり冷凍バック付きなのには驚かされました。

帰りの飛行機もATR42‐600のプロペラ機です。空港までバスに乗っている際に雲が薄れ利尻富士の山頂の雪渓も姿を見せましたが出発時には再び姿を隠してしまいました。

せめてもの救いはプロペラ機で雲の上に出ると山頂が姿を現したことです。窓越しにスマホでとったので鮮明でないのが残念です。

今回は欠航等の大きなトラブルはありませんでしたが、天候に恵まれず一度も利尻富士の全体を見ることができず絶景を見ることはできませんでした。ただし、最果ての温泉につかり、利尻・礼文の美味しい海産物を満喫できたのでよしとしましょう。

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