旅好き爺の旅行記
A photo journey by an old man who loves to travel

石川雲蝶の作品鑑賞と月岡温泉・大丸温泉への旅

7/21(日)から7/23(火)の2泊3日で新潟の月岡温泉と栃木の大丸温泉に行きました。今回の旅の目的は温泉でゆっくりすることと、新潟で越後のミケランジェロと言われている石川雲蝶の作品を鑑賞してくることです。雲蝶は1814年に江戸の雑司ヶ谷で生まれ、越後にやってきた石川流の彫物師と知られていますが、襖絵や漆喰細工など多彩な作品があるため越後のミケランジェロといわれるようになったそうです。

7/21(日)
自宅を愛車で6:00に出発、関越自動車道で途中休憩をとりながら大和スマートICで降り、まず最初の石川雲蝶の作品がある南魚沼市の開運観音龍谷寺へ9:45に到着。龍谷寺は千年以上の伝統を伝える曹洞宗の寺院です。

本堂へはこのインド風の観音堂から入ります。

残念ながら本堂内の撮影は禁止されているので、下記の写真はにいがた観光ナビのHPにある画面の一部です。本堂欄間には多数の雲蝶の透かし彫りの作品が残されていました。また本堂の左手にある妙光堂には明治後期から大正にかけて活躍した仏師竹内勝山が彫った120体の木造の仏像があり、こちらも必見です。

次に向かったのは近くにある穴地十二大明神です。小さな祠の神社ですが、雲蝶の作品があります。

拝殿前には龍の彫刻と両脇の獅子が力強く彫られています。

拝殿の中の欄間にも見事な透かし彫りがありますが、よく見ると鑿の見当をつける墨の点が残ったままで未完成のまま終えたようです。

ちょうど昼食時なので、グーグルマップで調べると近くにフォレストインというイタリアンのお店があり、そこに行きました。パスタを食べましたがとても美味しくお勧めです。

昼食後、少し離れた魚沼市にある赤城山西福寺に向かいました。この寺は1534年に開山されましたが、江戸時代幕末の1857年に建てられた開山堂というお堂があり、堂内は雲蝶の作品で埋め尽くされています。

左側にある鉄骨の屋根で保護されている建物が開山堂です。

開山堂の正面の向拝にも雲蝶の透かし彫りがあり中央部にある鷹の目にはと当時は貴重だったガラスの玉が入れられていました。

あいにく寺の内部は撮影が禁止されていますが、にいがた観光ナビのHPには以下の写真があります。

廊下にも雲蝶が施した埋め木細工もあり遊び心がうかがえます。拝観を終えたあとに正面にある開運堂でお土産にとち餅と笹団子を買いました。

今日最後に訪れたのは同じ魚沼市にある永林寺です。永林寺は500年余りの歴史があり、徳川家康の孫である松平忠直公、その子松平光長公の位牌を安置することで本堂建築を認可され、三葉葵の紋章を許された由緒深い曹洞宗の名刹です。

ここにも雲蝶の作品が多数ありました。ここも残念ながら内部の撮影ができないのでにいがた観光ナビのHPで作品に一部を紹介すると。

鮮やかに彩色された透かし彫りなどがあります。

雲蝶の作品を満喫した後に六日町ICから再び関越自動車道に乗り、本日の宿泊地の月岡温泉に向かいました。新発田市にある月岡温泉は1915年に石油を採掘していた時に偶然温泉が湧き出た比較的最近に開湯した温泉です。弱アルカリ性の国内随一の含有量を誇る硫黄泉だったので一度は行きたいと思っていた温泉地でした。

本日の宿は白玉の湯泉慶です。プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選で2024年総合4位という評価の高い旅館ですが、平日でもありJ1泊2食付き20,000円台のプランがありそれを予約しました。15:00にチェックインした後一休みして早速温泉へ。下記の写真は旅館のHPから切り取ったものですが、内湯は温泉ではなく沸かし湯で、温泉に入る前の準備のためで、温泉は露天風呂にありエメラルドグリーンの色をした硫黄泉です。

硫黄泉というと硫化水素型の酸性で乳白色のものが多いですが、ここは弱アルカリ性の硫黄を含むナトリウム・塩化物・硫酸塩泉のためエメラルドグリーンとなっています。自家源泉である白玉の湯の硫黄の含有量が1㎏中164.8㎎と今まで行った高湯温泉、万座温泉よりかなり高くなっていました。ちなみに月岡温泉の他の源泉は85.8㎎なので自家源泉ならではの高さなのでしょう。

夕食は、新潟の食材を使った懐石料理です。この時期ならではの枝豆も添えられています。

新玉ねぎのスフレは美味でした。

7/22(月)
ブッフェスタイルの朝食を食べた後、9:00過ぎにチェックアウトして今日は那須の大丸温泉に向かいます。安田ICから磐越自動車道に入り新鶴PAのスマートICで降りてひたすら一般道で那須に向かいました。途中今回は寄りませんでしたが、大内宿や塔のへつりも見ることができます。ちなみに2018年に行った時の写真がありましたので紹介します。

大内宿(6月)

大内宿(2月)

塔のへつり(6月)

昼食は大内宿でネギそばという選択もありましたが、今回は塔のへつりへの入り口の五晃苑というそば屋にしました。太打ちの手打ちそばでイワナの揚げ焼と野菜の天ぷらが付いたへつりそばを注文、イワナは頭から骨まで食べられました。

那須の大丸温泉旅館のチェックインは14:00からなので早くから温泉につかるため食後すぐに向かいました。

大丸温泉は5つの源泉の混合泉で、異なる4つの単純泉と単純硫黄泉で構成されています。保湿効果のあるメタケイ酸の濃度が非常に高く肌触りの良く美人の湯といわれる温泉です。以下の写真は旅館のHPから切り取ったものです。

ここは何といっても自然の川をせき止めて作った露天風呂です。写真の露天風呂は混浴で男女ともに脱衣所に湯あみ着が用意されています。女性には専用の露天風呂もあるようですが、男性にはこの混浴の露天風呂しかありません。

夕食は主に地元那須の食材を使った懐石料理です。

那珂川のあゆはとても有名ですが、この時期とれる若鮎の塩焼きは頭から骨まで残すところなく食べられ美味です。

夏の時期にしゃぶしゃぶは珍しいですが、大丸温泉は標高1,300mに夏でも涼しく違和感はありませんでした。ちなみに鍋の左側は大丸温泉の源泉で、右側は昆布だしです。

7/23(火)
朝食後9:00過ぎにチェックアウトしてから那須ロープウエイの山麓駅に、平日の朝早いのにかかわらず駐車場はほぼ満車となっていました。標高1,390mの山麓駅から4分程度で山頂駅に着きました。

標高1,674mの山頂駅前からの茶臼岳山頂が見られます。茶臼岳は今も噴煙を上げる活火山で、那須岳という名称は三本槍岳(1,917m)、朝日岳(1,810m)とこの茶臼岳の総称ですが、この茶臼岳が主峰となっています。

山頂駅からの眺めは絶景です。

子供たちが小さかった頃はこの登山道から茶臼岳を一周したのですが、体力と時間がないため今回は山頂駅周辺を散策したのみで再び山麓駅に戻り、温泉好きの私にとって重要な温泉神社に向かいました。

この温泉神社は630年に建立され、温泉がつく神社は全国でも10社程度ありますが、最も歴史のある格の高い神社の一つです。源平合戦の前に那須余一が参拝し、屋島の戦いで見事に扇の的を射てから那須一族の信仰を厚く得たようです。ここには共に樹齢800年の見事な五葉松と、御神木のミズナラの木があります。

本殿の横からは殺生石のある河原が見ることができます。

昼近くになったので以前に行ったことのあるペニーレインという美味しいパンを製造・販売しているレストランに行きました。バゲット半分を使った生ハムのサンドイッチはとても美味しかったです。

食後はお土産にパンを買って、近くの南ヶ丘牧場へ行き濃厚な味のするプレミアムバニラソフトクリームを食べて大満足。

帰りに那須ガーデンアウトレットで買い物をして帰路に向かいました。

日本はインバウンドでどこの観光地も海外からの観光客でいっぱいですが、今回は海外の観光客にむ会うことがなく落ち着いた旅となりました。今年は酷暑ですが車なら何とか体力を消耗することなく旅ができそうです。8月も高原の温泉で避暑を兼ねて静養する予定です。

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