4月9日(水)から12日(土)にかけて3泊4日で長崎県の五島列島へ旅してきました。きれいな青い海に囲まれた五島列島はリアス海岸を持ち複雑な地形でたくさんの入り江があり風光明媚なところです。また、2018年7月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録され、五島列島にはその関連遺産も数多く存在しています。東京からのアクセスが悪いので今までなかなか行けなかったのでやっと念願がかないました。
4/9(水)
羽田7:25発のJAL605便で長崎空港に9:15に到着、高速バスで長崎港近くにある大波止という停留所で降車、フェリーターミナルの食堂で昼食をとった後で、12:25発の九州商船のフェリーで新上五島町のある中通島の奈良尾港に向かいました。写真は乗船したフェリー椿です。五島列島は椿の自生地で有名で椿油は特産品の一つです。

奈良尾港に15:00に到着、ここから送迎バスで5分程度の高台にある五島列島リゾートホテルマルゲリータ奈良尾が本日の宿です。

併設されている温泉施設があるのですが、あいにく設備故障で水道水を沸かしたお湯で営業中でしたが、風呂場からの眺めは最高でした。風呂上がりにビールを飲んで休憩した後、ホテルのレストランで楽しみにしていた夕食タイムです。

まずは新上五島町にある酒造会社で作られた芋焼酎を注文。さつま芋と米麹はすべて五島列島で作られたもので、コクと風味がありとてもいい焼酎でした。

五島列島は黒潮と対馬海流の影響を受けており、多種多様な魚がいます。中央にある魚はアカハタで食感がよく甘みを感じられます。マグロやヒラマサの養殖も盛んで、上部にあるヒラマサはコリコリして脂がのっていて非常に美味でした。あとはイサキや石鯛、サザエも新鮮で満足できる一皿でした。

五島牛の土鍋ご飯は、ご飯が隠れるほど五島牛のたたきがのっており、味と香りがよい五島牛を満喫できました。一般的な五島牛農家は、黒毛和牛の子牛と繁殖牛を飼育し、子牛は松坂や近江でブランド牛となるので、五島牛として肥育牛になる数は少なく、島内でほとんど消費されているようです。

4/10(木)
今日は朝食を食べてから、観光タクシーで新上五島町のある中通島を巡ります。ホテルの朝食は和定食ですが、鯖の塩焼きは脂がのっていて今まで食べたことのない味でした。この他にも生卵、アジのなめろう、長芋のとろろ、昆布の佃煮などご飯のおかずには事欠きません。

ホテルを9:30に出発、福江島に行くフェリーが奈良尾港15:15発なので5時間コースで頼みました。最初に中ノ浦教会に向かいましたが途中の車窓では入り江に小島が浮かぶ宮城の松島のような風景が広がります。

中ノ浦教会は別名「水鏡の教会」との言われ、入り江に波がないときに対岸から見ると鏡に映った教会とともに上下対象に見えるそうですが、この日はあいにくさざ波が立っていたので正面から写真を撮りました。

次に立ち寄ったのは蛤浜海水浴場で、遠浅の白い砂浜と青い海で環境省の快水浴場百選に指定されています。


頭ケ島天主堂に向かう車窓からはナガスクジラの下顎の骨の鳥居がある海童神社がありました。五島列島は昔から捕鯨が盛んにおこなわれており、その名残です。

世界遺産の構成資産の一つである頭ケ島の集落が見えていました。ここが島の東端の位置にあたります。

頭ケ島天主堂は1910年に着工し、1919年に完成したもので、地元で採掘される砂岩を切り出して建設されています。

近くにあるカトリック共同墓地は一般的に日本でみられる墓石の上に十字があるのが特徴です。

ここから折り返して再び奈良尾港の報に車を走らせると、坂本龍馬が両手を合わせて祈っている銅像がありました。

幕末で活躍した龍馬は日本で初めて貿易商社「亀山社中」を組織しましたが、グラバーから購入したプロイセン製の木造帆船「ワイル・ウエフ号」が練習航海している際に嵐に遭い塩合崎で座礁し、志士たちが亡くなったそうです。龍馬は志士の冥福を祈るためこの島に来たようです。
奈良尾港に近い高井旅海水浴場も白い砂浜と青い海がとても綺麗です。

旧鯛の浦教会は、1903年に立てられ、現在のものは1948年に原爆で崩壊した旧浦上天主堂の被爆レンガを用いて鐘楼が増築されたそうです。現在は資料室や教会学校として利用されています。

ゴシック調の天井の室内に畳が敷かれた部分があり和洋折衷的な印象がありました。

青砂ケ浦天主堂は、外国から原書を取り寄せて設計・施工されたもので1910年に建設されたものです。


まだ時間があったので奈良尾港近くにある奈良尾神社のあこう樹を見に行きました。推定樹齢は670年で日本一の大きさを誇っています。下が二股にわかれ自然の鳥居を形作っています。ここを通ると寿命が延びると言われているそうです。

奈良尾港からフェリーで1時間程度で福江港に到着し、徒歩で本日の宿カンパーナホテルホテルに向かいました。


夕食付きのプランがなかったので、ホテルの近くにある石松という居酒屋に行きました。

クロ(メジナ)の刺身ときびなごの天ぷらは美味でした。地場の魚を使った鮨もどれもとてもいい味でした。


4/11(木)
今日は終日定期観光バスを利用して福江島を回ることとしました。福江港のバス乗り場から出発し島の中央部を走り、井持浦教会ルルドを目指しました。

ルルドは南フランスの地名ですが、1858年にルルドの聖母が出現して以来カトリックの巡礼地になった場所で、ルルドの泉は不治の病を治す奇跡の水として知られています。1897年に当時教会にいたペリュー神父がルルドの泉を模したものを提案し、フランスから本物のルルドの水を取り寄せ注いだ日本最古のルルドとなったようです。右側の石組みの所に蛇口があり、ルルドの泉の水を飲むことができます。


次にこの近くにある大瀬崎断崖に向かいました。以前は灯台守がいたようですが、現在は無人で使用されています。時間があれば灯台までの遊歩道もあるようです。

雄大な景色を堪能した後、日本の道百選に選ばれた島の西海岸を走り、高浜海水浴場に行きました。日本一の美しさを誇る白浜の海水浴場です。

山の上から見ると今立ち寄った高浜海水浴場の向こうに頓泊(とんどまり)海水浴場も見え美しい景色が広がっています。

その後バスは島の北側を走りながら車窓で水の浦天主堂などを見ながら福江港に戻って午前のコースは終了。
一時間の昼食休憩の後で再びバスは堂崎天主堂に向かいました。天主堂に向かう歩道から見た入り江は潮が引き、丸く削られたかわいらしい2つの岩が姿を現していました。

堂崎天主堂は、江戸時代からのキリスト教禁教令廃止以降、五島列島で最初に建てられた聖堂で、現在内部は堂崎天主堂キリシタン資料館として活用されています。

バスは再び福江港に戻り、車窓で石田城や武家屋敷通りなどを見ながら鎧瀬(あぶんぜ)溶岩海岸に向かいました。ちなみに石田城は福江城とも呼ばれていますが、黒船に備えるため日本で最後に建てられた城とのことです。
鎧瀬溶岩海岸は約5万年前に鬼岳周辺で噴火が起こり、その溶岩でできた海岸です。鬼岳は2年に一度山焼きをするそうで、上部は茶色の帽子を被っているようでした。

海の透明度が高くきれいな青い海が広がっています。


これで午後のコースは終了し再び福江港にバスは向かいました。今まで江戸時代のキリスト教禁教令以降、キリシタンは隠れて生活してきたものと思っていましたが、江戸時代には仏教寺院の檀家制度があり、表面上仏教徒として秘かにカトリックの信仰を守っていたことがよく理解できました。
今夜はホテルから徒歩5分程度にある居酒屋に行きました。席数が少なく評判の良い店で予約していたのでスムーズに入店できました。

刺身の盛り合わせは、きびなご、アオリイカ、桜鯛、ヒラマサ、マグロとどれも五島列島の魚が並んでいます。

ヤリイカのげそとしめじのオリーブオイル炒めは、マヨネーズが和えられており、イカの甘みを感じました。

低温調理でソテーされた五島牛、店主曰くステーキよりもおいしいとのことでした。肉の歯ごたえが良く、甘みが感じられる一皿でした。

4/12(土)
朝食後ホテルをチェックアウトし、福江港から長崎港へジェットフォイル「ペガササス」という高速船で向かいました。福江港を9:20出発、奈良尾港経由で長崎港に11:05に到着しました。ジェットフォイルは水中翼船で船体が水上に出るため時速80km以上で航行できるのでフェリーより料金は高いものの2倍強の速度でかつ快適でした。


長崎港から再び大波止というバス停から長崎空港行きの高速バスで空港に向かいました。長崎空港15:25発のJAL612便に等するまで時間があるので昼食を兼ねて空港ターミナルにある鮨どころしょうぶに行き、五島列島特産の鯨の各部位の刺身と対馬あなごの刺身を注文しました。


対馬あなごは初めて食べましたが、黄金あなごといわれる太い立派な形のようで、刺身は脂の乗りもよく歯ごたえも抜群でした。
定刻の17:10に羽田空港に無事到着、今回の旅行も移動でのトラブルもなく、五島列島のきれいな海と美しい景色、そして五島牛や五島の海鮮を堪能できた素晴らしい旅でした。難を言えば温泉に入れなかったことぐらいです。次回も旅を楽しみたいと思います。


コメントを残す