旅好き爺の旅行記
A photo journey by an old man who loves to travel

お盆の混雑を避けるのと東京の猛暑から逃れるために、8月17(日)から22(金)にかけて愛車を使って5泊6日で東北の温泉地を中心に旅に出かけました。
(旅程)
自宅→宮城県青根温泉不忘閣→青森県弘前市→青森県蔦温泉→秋田県後生掛温泉→福島県高湯温泉玉子湯→自宅で車の走行距離は1,800㎞弱でした。

8/17(日)
東京の自宅を愛車で6:00過ぎに出発、東北自動車道に入り蓮田で朝食をとり白石ICで降りてまずは蔵王山頂を目指しました。山頂に近づくにつれ雲が出てきましたが、宮城蔵王の象徴である火口湖御釜を見ることができました。エメラルドグリーンの水をたたえたきれいな火口湖です。1,700mぐらいの標高なのでさすがに涼しさを感じます。

昼時なので山頂レストハウスで名物の釜カツ丼セットをいただきました。

蔵王のブランド豚を使用したカツということで期待していたのですが、薄味の普通のカツ丼という感じで少しがっかりしました。
ここから蔵王の麓にある本日の宿である青根温泉に向かいました。本日の宿は日本秘湯を守る会の会員である不忘閣です。470年前に伊達政宗が滞在したときに不忘閣と命名したそうです。ここには伊達藩から高禄を得ていた湯別当がいて現在21代目となっていて歴史を感じさせます。芥川龍之介や山本周五郎などの文人も滞在したいました。

部屋で一休みしたのちにまずは温泉へ、ここには御殿湯、大湯、蔵湯、新湯、亥之助の湯の5つの湯舟があり、どれも昔ながらの佇まいを見せています。玄関にも大湯の看板が飾ってありました。

泉質は単純温泉ですが、刺激が少なくすべすべ感のある優しい透き通ったお湯で、源泉掛け流しの温泉です。写真は宿のHPの大湯のスクリーンショットです。

部屋から国の有形登録文化財の建屋が見え、右側の奥に大湯。御殿湯、亥之助の湯はあります。

夕食は会席料理です。

お吸い物のお椀の二の裏には伊達藩の紋が描かれていました。

特に坊ちゃんかぼちゃグラタンはとても美味でした。

8/18(月)
今日は再び東北自動車道を北進し、弘前市を目指します。弘前市は仕事の関係で何度も出張で訪れましたが、弘前城も見たことがなく温泉地ではありませんが目的地の一つとしました。本日の宿はドーミーイン弘前です。ビジネスホテルですが最上階にアルカリ単純泉の岩木桜の湯という浴室があり温泉気分が味わえます。

左側に露天風呂があり、美しい姿をした岩木山も見ることができます。お湯はアルカリ性なのでヌルっとした感があり肌触りは良いお湯でした。

弘前市には何故かフレンチのレストランが多くあり、今日の夕食はその中の一つであるポルトブランというレストランでの食事としました。シェフのおまかせフルコースを頼みましたが、5,800円と東京と比べると格安です。

シュベルニーというフランス産の白ワインを注文しました。

ここの売りのリンゴの冷たいクリームスープにしました。リンゴだけの甘さだけですが、スープというよりはデザートという感じで美味しいのですがスープとしては頼まない方がよいかもしれません。

白神の鮃のソテーですが、ソースが甘めで魚の本来の美味さを引き出していないような気がしました。

フォワグラ、鴨のロース、牛肉の煮込みの三段重ね

値段が安いのですが、フレンチとしては少しがっかりという感じでした。

8/19(火)
今日は午前中弘前市内を観光して蔦温泉に向かいます。まずはホテルに車を残したまま、ホテル周辺を散策しました。歩いていると大鰐線の中央弘前駅が見えました。弘前と大鰐を結ぶ「リンゴ畑鉄道」という愛称を持つ鉄道です・

駅の横には1920年に建設されたゴシック様式の弘前昇天教会があります。

弘前市のシンボルの一つである一戸時計店の時計台がありました。時計店そのものは閉業していますが、建物は弘前市の趣のある建物に指定されています。この近辺はシャッターが閉じられている商店が多いのが気になりました。

しばらく歩いていると青森銀行の母体となった1904年に建築された旧第59銀行本店があります。国の重要文化財に指定され現在は青森銀行記念館となっています。

車に乗り津軽藩ねぷた村に行きました。青森各地で「ねぷた」又は「ねぶた」祭りが開かれていますが、弘前のねぷたが発祥だとのことです。農民の夏場に襲ってくる眠気で津軽弁で「ねぷてぃ―」というのが「ねぷた」の由来でねぶたは他の地方の方言のようです。川に流した灯篭流しが最初のようですが、現在は錦絵の描かれた扇方のものになったそうです。

1時間おきぐらいに津軽三味線の演奏もありました。

次に弘前城に向かいました。最初に迎えてくれたのは三の丸東門です。弘前城の建物はすべて重要文化財に指定されています。

しばらく歩くと二の丸東門がありました。

入城料を払った後の有料区域で東北で唯一現存する三層の天守閣が見えてきます。

弘前城は津軽を統一した津軽為信が計画し2代目の信枚(のぶひら)が1611年に完成させました。当初は5層の天守閣でしたが、1627年に落雷により焼失し、現在のものは江戸幕府の許可を得て1810年に再建されたもので3層の天守となっています。見た目小規模な城主ですが古式にのっとった形のようです。

本来は本丸の西南隅という変わった位置に建てられていたが、石垣の修復のため現在一時的に内側に移動させている。天守閣そのものを移動させるのには驚きました。

城内には多くの大木がありましたが、盆栽を大きくしたようなアイクロマツは印象的です。推定樹齢300年、幹回り6mあります。

弘前市内の観光を終え、蔦温泉に向かいました。途中は森林の山中を走ります。

本日の宿は蔦温泉旅館です。蔦温泉は1147年にすでに湯治小屋があったとの文献が残っている1,000年近く前からある歴史のある温泉です。この正面玄関は1918年に建てられたものです。

この宿の温泉浴槽は源泉の上に作られており、底板から直接湧き出ている源泉湧き流しという珍しい形式で、過去に法師温泉に行った時と同じ形でした。どの浴槽も昔ながらの佇まいで、写真は宿のHPの久安の湯のスクリーンショットです。泉質はナトリウム・カルシウムー硫酸塩・炭素水素塩・塩化物泉で直接湧き出ているため力強さを感じる泉質でした。

夕食は地元の食材を使った旬の会席料理です。左上の丸い小皿は小川原湖産の日本北限天然鰻の白焼でした。

十和田湖産の長芋を使った焼酎があったので注文しました。飲みやすい味わいです。

深浦産の本マグロ、八戸産の水蛸、十和田湖産の虹鱒のお造り

十和田湖産岩魚姿焼き

小川原湖牛サーロインと葱のしゃぶしゃぶ

8/20(水)
今日は宿の近くの蔦沼や奥入瀬渓流を見ながら十和田湖に行き、そこから秋田の後生掛温泉に行く予定でしたが、昨日からの豪雨で奥入瀬に行く道が土砂崩れで通行止めとなり、やむなく来た道を黒石まで戻って十和田湖に行くことにしました。ブナの木の森林を走る道はとても綺麗でした。

十和田湖にあとすぐというところで道がやはり土砂崩れで通行止めになり十和田湖をあきらめ再び霧と雨の中、黒石まで戻り直接後生掛温泉に行くことにしました。道のわきにある川は茶色の濁った水の濁流となっていて奥入瀬渓流も濁流になっていることが想像できました。東北自動車道も途中区間が通行止めになっていてかなり大回りをしながらようやく後生掛温泉に到着しました。本日の宿は後生掛温泉旅館です。後生掛温泉は300年ぐらい前からある温泉で酸性の硫黄泉の特徴のある温泉です。

前の河原からは温泉の湯気が立ち込めています。

この温泉の大浴槽も昔の湯治場の雰囲気を残したままで、手前が泡の噴き出る火山風呂、中ほどに熱めの神経痛の湯、奥の階段の上は蒸気サウナ、その右側に箱蒸し風呂が2つ、右奥は箱の中にある泥を体に塗って入る泥湯と打たせ湯、写真の手前には露天風呂もあります。なお写真は宿のHPのスクリーンショットです。

湯は濁った灰色で入浴後は上がり湯で体を流しましたが肌がすべすべになりました。風呂上がりに地ビールで一休み。後生掛温泉は八幡平にある標高1,000mにありますが、近くの鏡沼は5月中旬から6月中旬にかけて積雪が溶け出しドラゴンアイが見られることで有名です。缶ビールもその名をとったのでしょう。

夕食は素朴な会席料理で、右上の四角い皿のすずきの洗いはゴマダレとよく合っていました。また上のわっぱに入っていた焼トウモロコシごはんも風味があり美味しかったです。

秋田県産のさつま芋を使用した焼酎を注文しました。芋焼酎らしい風味のある酒です。

牛肉の甘辛天ぷらは思いのほか美味でした。

8/21(木)
今日は福島の高湯温泉に向かいます。朝食は定番のものですが、セロハンに包まれたちゃんちゃん焼風の料理はご飯のおかずにぴったりでした。ちなみに左上の蓋の中は自家製の大きなシュウマイが入っていました。

後生掛温泉から福島県の高湯までは350㎞程度あるので八幡平山頂を経由し松尾八幡平ICから東北自動車道に入りました。途中の峠からは岩手山が見えました。

福島JCTで降りて磐梯吾妻スカイライン方面に走ると、本日の宿である高湯温泉の玉子湯旅館がありました。斜面に立っているので玄関フロント部分は4階になります。高湯温泉は山形の蔵王温泉、白布温泉とともに奥州三高湯と言われており、玉子湯の名前は温泉に入ると卵のように肌がなめらかになることと、匂いがゆで卵に似ていることが由来になっています。

部屋の窓から1868年に建てられた茅葺の湯小屋である玉子湯が見えました。中は小さめの浴槽ですが昔ながらの作りでした。

玉子湯は400年間自然湧出し続けている温泉で、泉質は酸性・含む硫黄(硫化水素型)アルミニュウム・カルシウム硫酸塩でお湯の色がコバルトブルーでとても綺麗です。露天風呂も大変気持ちよく入れました。下記の写真は宿のHPのスクリーンショットです。後生掛温泉では上がり湯をかけましたが、ここの温泉は湯上りは成分を残すため上がり湯はかけません。

夕食は会席のコースがメインですが、この日は中華の料理長がいる日のようで本格中華コースにしました。温泉宿で中華を食べられるのは珍しいですね。
まずは三種冷菜の盛り合わせ

玉子湯の芋焼酎があったので注文、芋焼酎らしい味わいでした。

ふかひれの白湯とろみスープ

特に変わった料理はなかったですが、王道の本格中華でした。中居さんによると中華のある日を楽しみに予約を入れるお客さんがいるとのことでした。

8/22(金)
今日は磐梯吾妻スカイラインを走り土湯側に降りて自宅に戻ります。標高1,580mにある浄土平で休憩することにしました。山の中腹から火山性ガスが吹きあがっているのが見えます。まだまだ活動が活発のようです。

浄土平からは吾妻小富士への登山道があります。入社直後に福島に赴任した時はここを登って火口を一周したことがありますが、この年では上る体力気力はありません。

福島JCTに乗る手前にフルーツラインという道路があり、たくさんの果樹園があったので、今日取れたばかりの白桃を買いました。これで2,500円なのでお得感がありました。

今回の旅行では一番天気が良くなってほしかった蔦温泉から奥入瀬渓流、十和田湖のルートが東北北部の記録的な豪雨で断念せざるを得ませんでしたが、そのほかは予定通りの日程で楽しむことができました。青根温泉不忘閣、蔦温泉、後生掛温泉、高湯温泉玉子湯のすべて昔ながらの湯治場の雰囲気を残す特徴のある温泉宿で、すべて源泉掛け流しの温泉を堪能できました。どの旅館の食事もとても美味しくいただけました。おかげで肌がすべすべに若返ったようです。

東北はまだ訪れていない素晴らしい温泉地も数多くあるので、またの機会に再度温泉を周遊したいと思います。

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