10月19日(日)から22日(水)にかけて、鞆の浦、広島市、道後温泉を巡る旅をしてきました。今回の旅の目的は、以前から行きたいと思っていた古い町並みの残る港町である鞆の浦と、2024年12月に保存修理工事が完了した道後温泉本館を訪れることです。また、瀬戸内海の豊かな海の幸も堪能することも楽しみにしています。
10/19(日)
羽田空港09:55発のJAL257便に搭乗し、広島空港に11:20に到着しました。空港で軽い昼食をとった後に12:25発の福山駅行のリムジンバスに乗車し、福山駅に13:30に着きました。旅館の14:45発の無料シャトルバスを予約していたので、それまでの間駅周辺を散策しました。駅周辺にはコスプレをした若者が多数いて驚きましたが、当日はフクヤマアニメのアニメをテーマにしたイベントが開催されたいたようです。

駅前には山陽新幹線開業の記念に設置された五浦釣人像があります。有名な彫刻家平櫛田中氏の作品とのことです。線路を挟んだ方向には日本100名城に指定されている福山城がありますが時間の関係で今回はパスしました。

本日の宿は鞆の浦の観光に便利な位置にある景勝館漣亭です。

全室オーシャンビューで部屋からは瀬戸内海の景色が一望できます。

部屋で一休みした後に最上階にある温泉へ、風呂場からの眺めは最高です。泉質はラジウムを含んだ冷鉱泉で無味無臭ですが体は温まります。写真は宿のHPのスクリーンショットです。

夕食は瀬戸内の旬の素材を使った会席料理です。前菜は秋刀魚八幡巻き、鯛の煮凝り、胡麻豆腐などです。

地元のクワイを使った焼酎があったので福山そだちを注文しました。米焼酎とブレンドされたものでクワイの風味と香りのするすっきりとした飲み口です。

お造りは、左手前から時計回りに、太刀魚、コチ、真鯛、平貝、シマアジの五種類でした。

鯛のコラーゲンスープのしゃぶしゃぶは、鯛の切り身を入れてポン酢につけて食べると美味でした。

広島の神石高原で育った年間400頭しか出荷されない幻の和牛、神石牛の石焼は絶品でした。

鯛釜飯と赤出汁の味噌汁もご当地らしい料理です。

デザートも六種類出てきました。今回は少量美食というコースでしたが、十分な食べ応えがありました。

10/20(月)
朝食をとった後にチェックアウトして、シャトルバスが出発する14:00までの間、鞆の浦観光に行きました。最初に訪れたのは、福禅寺對潮楼です。ここの本堂に隣接する對潮楼は、1690年に創建された宮殿で国の史跡に指定されていて、朝鮮通信使の迎賓館にも利用されていました。

階段を上って右に行くと對潮楼があります。

1711年朝鮮通信使の李邦彦は、「日東第一形勝」と賞賛したそうです。確かに額縁の絵を見るようで素晴らしい景色です。手前の島は弁天島で、その奥は仙酔島です。

ここから港に出るとシンボルの常夜燈が見えてきました。

少し歩くと住吉神社の祠の奥に、鞆の津の力石が3つ置いてありました。花崗岩製の楕円の石で230㎏から118㎏あるそうで奉納者と重さが刻まれているそうです。

常夜燈に向かう道には古い町並みが続きます。

常夜燈の右側には1867年に沈んだ龍馬と海援隊の船であるいろは丸の引き揚げ物を展示したいろは丸展示館がありますが、当日は休館していて入れませんでした。

いろは丸展示館の横にはクラシックな郵便ポストがありました。

この近くに国の重要文化財として指定されている太田家住宅があるので寄ってみました。

この2階建て入母屋造は保命酒家中村家が18世紀中期以降に建てられたもので、江戸時代中期から明治時代初期にかけて鞆の特産品としての名高い保命酒などの酒造販売で繁盛していました。明治期に入り太田家が引継ぎ現在に至っています。


鞆の浦には多くの古寺が残っていており、写真はその一つの南禅坊です。

昼食時となり近くの海鮮料理鯛めしの店、「千とせ」で鯛茶漬け御膳を食べました。写真は開店前のもので昼食時にはたくさんの観光客が待っていました。

やはり瀬戸内に鯛はどのようにしても美味です。

まだ時間があるので平成いろは丸という船で仙酔島を往復してきました。短い船旅とはいえ往復240円は安くて驚きです。

旅館のシャトルバスで福山駅に戻り、山陽新幹線で広島駅に向かいました。あいにく近くの駅で発生した車両点検などで30分遅延し広島駅に到着、路面電車に乗り換え本日の宿ホテルマイステイ広島にチェックイン、フロントは多くの欧米からの観光客でごった返ししていました。

部屋に荷物を置いてから、ホテルの近くにある平和記念資料館に行きました。橋を渡るときに原爆ドームが見えました。

広島には何回か来ましたが、恥ずかしながらこの平和記念資料館を訪れるのは初めてなので今回の目的地の一つとしました。

中に入ると欧米からの観光客がたくさんいるのに驚きました。おおむね60%は海外の観光客、30%は学生、残りが国内の観光客という感じでした。

海外の観光客がこの核兵器のむごさを伝える記念館を訪れてくれたことに大変感謝しするとともに、核兵器の使用が未来永劫ないことを願っています。

平和記念公園の奥に爆心地であった原爆ドームが見えます。

夕食はホテルのそばにあるビストロ巴里食堂で取りました。明日は旅館の会席料理なのでインターバルにはもってこいです。

今まで飲んだことのないマカベオという品種のブドウを使ったオーガニックスペイン産白ワインを注文することにしました。果実感がありフレッシュで飲みやすいワインでした。

スズキのポアレ

鶏もものガーリックソテー

フレンチの夕食を満喫してホテルに戻りました。
10/21(火)
朝食はホテル最上階のレストランでブッフェスタイルでしたが、なんと欧米からの宿泊客がほとんどで、海外のホテルで朝食をとっているような気分でした。
今日は道後温泉に向かいます。ホテル近くの中電前から広島港まで路面電車に乗りました。終点の広島港には新旧の電車が停車していました。

広島港からはスーパージェットという高速船で松山観光港へと瀬戸内海の景色を見ながらの1時間10分の船旅です。


途中にある呉港には自衛艦が停泊していました。

途中強風の影響で何が高かったこともあり15分程度遅れて松山観光港に到着、ここから連絡バスに乗り、伊予電鉄の高浜駅から松山市駅に行きました。5年前に出張でこの路線に乗りましたが、車両も新しくなっていて驚きました。

途中テレビドラマ「東京ラブストーリー」の舞台となった梅津寺駅に停車します。

松山市駅から路面電車で道後温泉駅に到着。古い車両が走っているイメージがあったのでこの新型車両にも驚きました。

道後温泉駅には、ぼっちゃん列車が展示されています。

道後温泉の温泉街には他の温泉地に比べ賑わいが残っています。

本日の宿は創業397年の道後温泉の老舗旅館ふなやです。

ふなやの前の道の奥には国の重要文化財に指定されたいる社殿がある伊佐爾波神社の135段の階段がありますが、とても登る気にはなれませんでした。

荷物を旅館に預けて、ユノマチベーカリーで購入したパンを店内で食べ、今回の目的の一つである道後温泉本館に向かいました。

昨年12月に改修が終了した国の重要文化財に指定されている道後温泉本館です。

蜷川美香さんのアートイベントがあり、カラフルに飾られていました。

神の湯二階席の料金を払ってまずは二階の休憩室で説明を受けました。10人ほどの欧米の観光客がおり、地元のテレビ局が取材していました。

浴衣に着替えて入浴した後には、お茶とお菓子を出してくれます。

ふなやに戻りチャックイン、部屋で一休みした後、この旅館のお風呂に行きました。お湯は道後温泉の源泉からの引き湯で、アルカリ性単純泉です。3000年以上の歴史を誇る道後温泉に思いをはせながらゆっくり入浴しました。写真は宿のHPのスクリーンショットですが、この御影湯と檜湯という大浴場があり男女交代制になっています。どちらとも露天風呂が付いています。

夕食は部屋での会席料理です。旅館での部屋食はしばらくぶりです。中居さんが手際よく料理を運んでくれました。まずは前菜3品で、左のカップ雪花菜(きらず)というお客様との縁を切らずという意味を込めたふなや先代からの料理でした。中央は胡桃豆腐、右は秋刀魚有馬煮、合鴨紅葉煮、白身魚のすり身にチーズと栗を合わせた蒸し物です。どれも丁寧な仕上げられ満足できる料理です。

瀬戸結びという愛媛の芋焼酎を注文、癖のない飲み口の良いお酒でした。

お椀、造り(タイ、カツオ、モンゴイカ)と鱧つみれの玉地蒸し。特に玉地蒸しは今まで食べたことのない美味でした。

和牛のすき鍋とさごし金平のせ。

鯛めしと赤出し。

メロン、葡萄、柿。

どの料理も美味しき頂きましたが、献立表の下には料理人から各料理の解説が書かれており、このようなスタイルは初めてでした。いいアイデアです。

10/22(水)
朝食も部屋食で、和食か洋食を選択できます。和食を選びましたが申し分のない内容でした。

松山空港へのタクシーを待っている間に、館内にある展示室を見ました。写真は1950年に昭和天皇が宿泊された洋室を移築したもので、その当時の洋館の資材は英国から取り寄せて作られたそうです。皇族方が愛媛に来る際は今でもふなやを利用されているようです。

松山空港は道後温泉から30分程度の便利な位置にあります。入口を入ると蛇口からミカンジュースがあり、愛媛らしさを感じました。

空港で昼食をとり、松山空港14:40発のJAL436便で羽田空港に16:00に無事到着しました。今回は公共交通機関を利用し広島と愛媛という瀬戸内海を挟んだ旅行となりましたは、特に大きなトラブルもなく予定通りに旅を進められました。欧米からの観光客の多さには多少驚きましたが、特にオーバーツーリズムという感じではなく落ち着いた旅でした。なにより、瀬戸内海と豊後水道の豊かな幸を美味しくいただくことができ幸せでした。


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